「伝える力」を信じてー末期がん患者との奇跡の対話

某市役所より、ステージⅣ末期癌の50歳代男性が意識はあるものの、市役所も大学病院看護師も意思疎通が取れず、病院代支払いのためのキャッシュカードの暗証番号が聞き取れないので何とかならないかとの無茶振り相談
先月、困窮者支援生活相談員として満を持して、大学病院の病室に入りました
事前情報を基にユマニチュード技術を駆使して、専門家として真剣に対応に挑みました
まずは覚醒するための会話術、ベッドをギャッジアップ、そして看護師に飲水を依頼してリラックスしてもらい、意欲を持っていただくための会話を続けました
だんだんと眼光に力が入ってくれ始めました!会話を続け更に覚醒してくれます
構音障害で言葉を理解することはヤヤ困難ですが、判断能力があると確信して、看護師・ソーシャルワーカー同席の元、クローズドクエッションを手の握りで確認し暗証番号を確認、そして院内ATMにアテンドし承諾を得て暗証番号入力
払い出し成功しました
続いて所有車両の売却確認、不動産は元気な頃に金融機関とリバースモーゲージ契約を結んでくれていたので、重要な課題は全てクリア出来ました
その後、再びお見舞いに行くと、ほぼ普通に会話が成立!Dr.からは大学病院から移動30分以内の施設移動のリクエスト
相談員総出で入居施設を探し出し、無事に退院し曙会民間救急車で施設入居へ結び付けることが出来ました
退院時には酸素9㍑と言う極めて厳しいコンディションでしたが、個室で紹介させていただいた施設のヘルパーさんは頑張って対応して下さいました
入居から約1週間、天に召されました
身元保証をさせていただいた責任と、短い間でしたが信頼関係を築けたご縁から、土曜日の所沢市斎場での火葬に1人で行きました
ボク1人で斎場に行くのは初めてです…火葬後のご遺骨を1人で拾わせていただくのも初めてです
身寄りの無い方の多さに、ボクらの存在は不可欠だと再認識しました
そして今回一連の対応でボク自身の技量も故人様より学ばさせていただきました
引き続き、困窮者支援事業者として襟を正し挑んで参る所存です